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亜熱帯

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141225 1日目 コロンボスリランカ

正面にうつる地図と左窓の景色をかわるがわるにみて、今、たしかにこの地の上空を飛んでいるのだとかみしめながら、夜7時バンコク通過。暗闇の中でひときわ明るいオレンジライトのかたまりと、そこからのびている細長く線、焼きたらこの粒々さながらの小さなものものは、ひとびとがその地で生活していることを知らせてくれる。ランプ5回点滅、アイシテルのサイン。

6時間弱の飛行を終え、はじめまして、スリランカ

福島の梅雨よりたちの悪い、むしむしじめじめ気候が迎え出てくれて、いよいよ南にやってきたぞ感満載である。扉を開けて外に出ると、生暖かい風がねっとりまとわりついて、さらにひとつ扉を開けて中に入ると、今度はひんやりと乾いた風が数秒前の心地悪さを中和してくれる。冷房の快適なクリスマスははじめてだ。

荷物は成田からデリーへ直接送られたから、乗り換え一泊のスリランカ滞在は身軽だった。着替えも何もないけど、ジーンズで眠るのは嫌だったから、スカーフを巻いてみるとなかなかよい。風通り、よし。布きれ一枚が快適な12月のスリランカ

飛行機乗り換え者用に手配されたホテルにいるんだけど、「すべてスリランカ空港払いだから心配いらない」という。傘さしボーイにエレベーターボーイ、扉あけボーイなどくすぐったい扱いの彼らが常駐していて、大きなツインベッドルームには枕が八つ、SONYの薄型テレビ、ミネラルウォーターが三本。湯船なんて、毎日わたしが浸かっているアパートの湯船より広い。目の前の過剰なほどの待遇と、心配いらないという受付のお姉さんに、自己責任をぐるぐる巻きつけていた。

浴室にシャンプーだけあったから、全身を洗った。髪も顔も手も足も全て陸つづきならぬ肌つづきなのだから、シャンプーか石けんのようなものがひとつあればいけるんじゃないかなと思う。
痛みとかケアとか、過度な労わりは時にひとを拘束する。自分で商品を選択しているようで、選択させられていたのかもしれないな、なんてゴシゴシしながら思い馳せる。最初こそ、今までの慣れが不自由さを感じさせるだろうけど、シンプルな生活に慣れてしまえばこっちのもんである。

お腹が空いているか、とホテルマンにきかれ、とてもと応えるとレストランに連れて行ってくれた。ここでも「オールフリー、あなたは支払わなくていい」と言われる。そんなうまい話があるわけなかろーと心の中でツッコミながら、サンドウィッチをつまようじで食べる。

結果から言えば、そんなうまい話があった。
すばらしきコロンボ。すばらしきスリランカ空港。

今だから言えるけど、空港泊でなく、ホテルに踏み出してよかった。

いつだって選択を迫られる。決定権を握っているのはわたしだけだから、自分次第でどうにでもなる。盲目に魅力を追いかけるのでなく、側面のリスクもひろげて、吟味して見極めようね。戒め。